自然食宅配 iito(いいと)

有機野菜や果物などの農産物や畜産物と、無添加でつくられた食品、生活品などをお届けするお店です。

第19回「ミートミーティング」2012,2,25

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毎年2月に行われている、肉屋まぁのさん主催の「ミートミーティング」に
参加しました。ミートミーティングは、まぁのさんのお肉の生産者、消費者、
流通する自然食の会やお店の人達が集まり、テーマに沿って話し合う場です。

今回のテーマは「放射能とどう向き合うか」
講師としてお話いただいたのは、1973年に「使い捨て時代を考える会」を
発足された槌田劭さんです。
3,11以後、農産物や、畜産、海産物に対する放射能汚染の問題は収束の兆しもなく
消費者の不安は勿論ですが、古くから有機農業に取組んできた人達の中でも、
福島を始め東北地方との農業提携は断絶されつつあります。
国の設けた放射能の基準値には誰もが疑問を感じているので、安全性を考えると、
当然不安なものは流通させないという流れになります。ただそれは福島の農業を
壊滅させることにもなります。放射能汚染の危険から身を守ることは必要ですが、
過剰な恐れは時に判断を誤らせます。
槌田さんは今の福島を取り巻く状況がとても断面的な物の見方で押し進められて
いると言います。現実は一つの切口からだけではなく、いくつもの切口を見なけ
ればならないと言います。
私達の暮らしは常に現在進行形で放射能の危険と隣合わせで、もはや日本中が
放射能と隔離できないのが現実です。事故を起こした3つの原子炉は、福島のみ
ならず関西にいる私達の生活空間とも係っています。
ですので、3,11以前の常識はもう通用せず、放射能をある意味で受け入れて
生活していく他はありません。その上で反原発・脱原発を本気で示し、直ちに
稼働中の原発を停める事が重要です。
40年近く有機農業運動と共に反原発の訴えをされてきた槌田さんは、有機農業とは
「命の基本原理を大事にする農業」だと言います。
この命の営みは原子が安定してこそ成り立つもので、原子を破壊する事でエネルギー
を生み出す原発とは共存は不可能なのだと言葉を強くされました。
それと同時に、私達がもう一度有機農業の基本に立ち返る必要があるとも言います。
その基本とは共生する事です。
社会の在り方、人間の在り方に憂いを持つ事。
何かを成し遂げる為に勇気を持つ事。
その事を忘れ、いつの間にか安全な食べ物を求めることばかりに終始していないか
と疑問を投げかけます。
放射能以前に食品添加物や化学肥料、工業汚染など私達の食を取り巻く環境は
悪化の糸を辿っているにも係らず、放射能だけに過剰な視線を注ぐのでは、
私達の直面する問題を乗り越える事にはならないと言います。
福島の農産物の取扱いを控える動きが圧倒的に多い中、槌田さんは、食べて福島を
支えるという意思を示されています。もちろん子供や妊娠中の方、これから子供を
産む方は避ける必要があると話された上で、基本的に農家の人達自身が食べている
ものは食べるという姿勢を取られています。
消費者の安全を守るのと等しく、生産者の暮らしや農産物を生み出す土壌を守り、
循環させるのが、私達流通に係るものにとっても基本です。
その根本を揺るがす放射能と、どう向き合っていくのかが問われています。

お話の後の意見交換では、それぞれが感想や想いを話しましたが、
「槌田さんの意見には賛同したいが、流通する側としては現実難しい」という声も
多く上がりました。国の基準値が明確でない以上、独自の数値を出して対応している
など、それぞれの考えの基で取組んでいますが、基本的には生産者との信頼関係を
どれだけ築いていき、消費者の方達に伝えていくかにかかっているのだと思います。
資本を中心とした社会や経済の成り立ちを、人間を中心とした成り立ちに変える事。
それが私達が向かうべき方向なのではないでしょうか。
議論はその言葉で締めくくられました。


今回は槌田さんのお話を中心にお伝えしましたが、
アルプス牛の生産者の青木さんからは、現在計画が進行されているリニアの問題、
そして生産者さんが共通して感じている飼料の問題など、様々な事が取り上げられ
ました。それについては後日お伝えしたいと思います。

まぁのさん、貴重な機会をありがとうございました。

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(母、松根敏子と槌田劭さん)


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  1. 2012/02/28(火) 09:56:43|
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