自然食宅配 iito(いいと)

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滋賀県愛荘町「丸中醤油」

iito(いいと)がお届けしている「丸中醤油」の蔵元の見学に伺いました!


丸中醤油の蔵元は滋賀県愛知郡の鈴鹿山脈の麓の街道沿いに位置し
寒暖の差の非常に厳しい土地にあります。
夏は盆地の為蒸し暑く、冬は日本海から太平洋に抜ける風の通り道になる為
雪の積もることの多い過酷な気候が特徴です。
蔵元の近くは田んぼが多く、この日は一面に雪景色が広がっていました。
現在八代目代表である中居真和さんに丸中醤油の歴史と味の秘訣について
お話いただきました。

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丸中醤油は寛政末期から続く老舗で、伝統の味を生み出す醸造蔵は二百年以上の
歴史を有しています。蔵には壁や柱、天井から床、樽や桶に至るまで、
びっしりと菌が棲みついており、一年中絶えること無く、醤油を醸造し続けています。
醤油造りの特徴は江戸時代から続く古式製法という、温度管理を一切しない
自然の営みに任せた製法です。

丸中醤油の醤油造りはまず、麹造りから始まります。
原料に使われる大豆は国産の丸大豆と小麦を使用し、大豆を蒸して、小麦を炒り、
麹を造ります。そして麹に塩水を加えるのですが、水は鈴鹿山系伏流水を使用し、
水の状態が一番良い1、2月の寒の内に行います。
通常この作業は、大きなプールに塩を入れてから水を加え、飽和塩水にする方法を
取るのですが、丸中醤油では「塩吊り」と呼ばれる独自の製法を守っています。
「塩吊り」とは、桶に先に水を入れ、吊るした袋に塩を少しづつ加え、自然に溶け出る
のを待つ方法です。溶けるとまた少しづつ塩を加えます。
じっくり時間をかけて塩を加える理由は、醤油を育む醸造菌を驚かせない為だそうです。
醤油を造るのは人ではなく、醸造菌だと言います。その生き物である醸造菌は
丸中醤油の味を生み出す宝なのだそうです。

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(醤油を熟成させる樽。もろみの香りが漂い、菌の息遣いが聴こえてくるようです)
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(樽や柱にも醸造菌が棲んでいます)

ここから出来上がったもろみは三年間の時間をかけて熟成させていくのですが、
その間ただ静置しておくだけではなく、蔵人によって「桶入れ」と呼ばれる作業が
続けられます。毎年行う作業であっても、その年の気候や原料の状態によって、
また桶の一つ一つが異なった性質を持つ為、蔵人は全ての桶の状態が良くなるように
見極めていくのです。

こうして三年間丹念に熟成させた醤油は最終行程である「舟絞り」へ移ります。
「舟絞り」とは、樽の中に袋詰めにしたもろみを重ねていき、もろみが自身の
重みでゆっくり時間をかけて醤油を搾り出していく製法です。
伝統的な手法を取る酒造りで用いられる製法で、醤油造りでは大変珍しい手法です。
この「舟絞り」は丸中醤油の味を守る為の重要な行程で、一瞬たりとも
気の抜けない作業なのだそうです。
丸中醤油の醤油造りは全てが手作業によるもので、熟練の技と五感によって
受け継がれています。

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(舟絞りへ移す樽)
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(舟絞りを行う圧搾機。一番搾りの醤油を味見させていただき感動!)

そして今回は大変貴重な醤油造りについてのお話の他にも、
代表である中居真和さんご自身のお話もお伺いすることができました。

伝統の醤油の蔵元で育った中居さんですが、以前は近代的な醤油造りに
憧れた時期もあったそうです。子供の頃から醤油の香りが漂う環境で育ち
遊びに行く時に、もろみが付いた服で出かけて、恥ずかしい思いもしたそうです。
成人してから一度は他の醤油造りの工場に修行に出たそうですが、
そこで見た製法は、自身の蔵で行うものとは全く異なっていたそうです。
中でも一番の違いは、無菌状態の工場で、全てが温度管理された中で
醤油造りが行われること。そこでは、わざわざ醸造菌を加えて醤油が造られて
おり、醤油造りが終わるとその都度殺菌処理が施されます。
至る所に菌の棲みつく丸中醤油の蔵とは全く違っており、また味の違いにも
驚いたそうです。
丸中醤油の蔵には数えきれないほどの種類の菌が生きており、その殆どが
解明されていないのだと言います。加温をしない為、冬場には菌が眠って
いるように思えるのですが、実はそうではなく、冬場にこそ育まれる菌がある。
丸中醤油の味は、その一つ一つの醸造菌を大切に育んでこその味だと
実感されたそうです。
それまでは古くさいと感じていた手仕事による醤油造りも、その一つの
行程でも省くと、美味しい醤油は生まれない。そう感じられたそうです。
伝承の味を受け継ごうと決められたのも、その経験があってこそ一層強いものに
なったとお話いただきました。
丸中醤油の蔵は登録有形文化財に指定されている歴史のある建物です。
ただ守るべき歴史は建物だけではなく、そこで長い時間をかけて育まれた
「醸造菌」そのものだと強く感じました。

「菌こそ宝」
丸中醤油の伝統は今も自然の営みと、それを重んじる蔵人たちによって
育まれています。

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(八代目代表の中居真和さん。お忙しい中有難うございました!)



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テーマ:オーガニック、菜食、マクロビ - ジャンル:グルメ

  1. 2012/02/01(水) 00:08:51|
  2. 滋賀県「丸中醤油」蔵元を訪ねて